遺言書には、自筆証書遺言(民法968条)、公正証書遺言(民法969条、969条の2、秘密証書遺言(民法970条)の3つの方式があります。一般には、自筆証書遺言か公正証書遺言です。「公正証書遺言の方が安全そうだけど、自筆証書遺言の方が簡単に作れるし、誰にも内容を知られないですむからこっちがいいな」と思っている人も多いと思います。
しかし、現実には自筆証書遺言は役に立たないケースが多いのが現実です。
<自筆証書遺言の問題点>
1 形式を間違える人が意外と多い
自筆証書遺言は、法律で定めれた形式でないと無効です。
2 内容が不正確な場合が多い
法律に詳しくない方が、自分だけで遺言の文言を考えると、相続発生後、かえって揉め事になることがあります。
実際にあった話として、「●●証券の預金を長女に相続させる。●●証券の投信は次女に相続させる」との自筆証書遺言がありました。しかし、証券会社には商品として「預金」はありえません。遺言者の意思は●●証券のMMFを長女に相続させたかったようですが、MMFは法的には投信です。そこで、長女と次女でMMFを巡って争続となってしまいました。
3 相続人が隠してしまうことがある
4 検認の必要がある
自筆証書遺言の場合、家庭裁判所で検認という手続きを経ないと開封できません。しかし、検認には申立から1~2か月かかります。その間、遺産分割はストップしてしまいます。
5 相続人に保管場所を話しておかないと、遺言書に誰も気がつかないで遺産分割が進められてしまう
したがって、遺言を作る以上、公正証書遺言をお勧めします。