借地借家トラブル
土地や建物の賃貸借ではさまざまなトラブルが発生します。これらのトラブルを解決するためのヒントは、一般法である民法の賃貸借契約に関する部分と、一般法の例外である特別法としての借地借家法にあります。
本ホームページでは借地や借家に関するトラブルを事例別で紹介し、その解決手段について解説をしていきます。
◆具体的な相談例
・家主に立退料を請求したい
家主が立退料の支払いと引き換えに賃貸中の建物から出て行って欲しいと言われた場合に、どの程度の立退料を請求できるのかというご質問やご相談をいただくことがあります。
また、家主から提示された立退料が妥当なものであるかどうかというご相談も多くいただきます。
家主に対して立退料はいくらがいいという提示をしたとしても、高すぎるとして断られることがあるため、妥当な額がどれくらいのものであるかということを一般の方が判断するのは非常に難しくなっています。
そこで弁護士に相談をし、算出してもらった額を家主に提示することで、主張が通りやすくなるため、非常におすすめです。
具体的な立退料の判断基準としては、立退を要求する理由、立退を要求された借主が近隣で似たような条件の建物を借りることができるか、借主がどれくらいの不利益を受けるかというような事情から総合的に判断されることとなります。
・敷金を返還してもらいたい
敷金とは賃貸借契約の締結の際に、前払いをするものであり、賃借人の負うべき債務の担保として扱われます。
敷金は賃貸借契約を解除し、当該建物から立退をした後に、ハウスクリーニング代などに利用され、その残額については、返還されることとなります。
敷金の額は、賃借する建物の賃料1ヶ月分に相当するものを支払うことがほとんどであるため、相談者によって額は変わります。
他方でハウスクリーニングに関しては料金が数万円程度であることが多くなっているため、賃料がかなり安い物件でない限りは、敷金に残部が発生することとなります。
もっとも、物件に汚損や破損があった場合には、その修繕費で本来のハウスクリーニング代よりも多くの代金がかかることがあり、尚かつ敷金を超過する修繕費用がかかった場合には、逆に修繕費を請求されることがあります。
しかしながら、修繕費請求の連絡がない場合には、敷金を全て使い切っているか残部があるかのいずれかであるため、敷金の返還がされていない場合には、請求をしてみた方が良いといえるでしょう。
もっとも賃貸人が返還に応じてくれないということがあるため、一度請求をしてみて何の返答も得られない場合には、弁護士に相談し、内容証明郵便等を送ってもらうことをおすすめしています。
また、敷金返還請求権には消滅時効があります。消滅時効とは一定の期間、権利行使をしなかったことで当該権利が消滅するというものであり、その期間は、権利を行使できることを知った時から5年、もしくは権利を行使できる時から10年となっているため、ご注意ください。
・賃借人が賃料を払ってくれない場合に、出て行ってもらうことはできるか
賃借人が賃料を支払ってくれない場合には、直ちに立退を要求することができるかといったご質問をいただきます。
結論から言うと、賃料を支払ってくれないからといって即座に立退を要求することはできません。その理由としては、賃貸借契約には「信頼関係破壊の法理」という理論があり、信義則に反するような高度な信頼関係の破壊がない限りは、契約の解除をすることができないからです。
信頼関係の破壊があるか否かの判断は具体的な事例に応じて判断されるため、数ヶ月間賃料の支払いがない場合であっても認められないこともあり、逆に1ヶ月賃料の支払いがない場合に認められることがあります。
上記のような賃料不払いの期間に関係なく、信頼関係の破壊が認められる期間は、半年以上であることが多くなっています。
もっとも半年という長い期間、賃料が支払われていない場合には、賃借人がなかなか立退に応じないことがあります。このような場合には、裁判所に訴えを提起して明渡しの強制執行をすることとなります。
賃料を長期間支払っていない賃借人の立退を求める場合には、弁護士に相談をすることで、裁判に発展したときにも一連の手続きを代理してもらうことができるためおすすめです。
KOWA法律事務所では、中央区、大田区、江東区、品川区を中心に、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県からの相続、不動産、金融、ITシステム、企業法務に関する相談を受け付けております。
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弁護士紹介
池田 聡Satoshi Ikeda / 東京弁護士会所属
銀行で支店長として勤務していた経験を活かし、問題解決のために
最適な解決策をご提案いたします。
金融、相続、不動産、ITシステム、企業法務に関するご相談なら、お金と事業を知り尽くした当事務所へお任せください。
- 経歴
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日本興業銀行・みずほ銀行に通算約24年勤務。
営業店9年、IT部門8年、業務企画部門7年。 最後の3年間は支店長を務める。
都内中堅法律事務所を経て、2014年 KOWA法律事務所を開設。
- 著作
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システム開発 受託契約の教科書
著者:池田 聡 -
元銀行支店長弁護士が教える 融資業務の法律知識
著者:池田 聡
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- 執筆
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週刊東洋経済 2017年9月2日号 民法改正で激変①ITサービス
週刊東洋経済 2020年4月4日号 変わる民法&労働法 3売買・請負 5法定利率
週刊東洋経済 2021年3月6日号 働き方と仕事の法律 売買・請負
月刊銀行実務(銀行研修社) 執筆多数
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