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ITサービスの利用規約のリーガルチェック

ITサービスをリリースする際には、あらかじめ利用者との間で合意を交わすためのサービス利用上のルールを取りまとめた、「利用規約」というものを作成する必要があります。

 

利用規約は機能としては契約書と同様のものとなりますが、厳密には違う箇所があります。

 

契約書は当事者の一方が作成し、もう一方の当事者と交渉をすることによりその内容を修正していくものとなりますが、利用規約の場合には、サービスを提供する事業者が一方的にルールを定めたものとなります。

 

また、契約書は第三者の閲覧を予定していないものですが、利用規約はインターネット上で公開されていることが多く、第三者でも閲覧することができます。

 

上記の2点において、利用規約と契約書には違いがあります。

 

では実際に利用規約を作成する際にはどのような点に注意すれば良いのかといったことについて解説をしてきます。

 

◆利用規約を作成する際の注意点
利用規約には提供するサービスの独自性を踏まえた上での記載をしなければならないため、1から作成をしなければなりません。

 

とはいったものの、1から利用規約を作成するのは非常に難しいことであるため、必ず最低限記載しなければならない内容をご紹介したいと思います。

 

1.自社サービスの利用には利用規約への同意が必要であることの説明
2.利用規約の変更の方法
3.自社のサービスのわかりやすい説明
4.利用規約で使用する用語の定義
5.自社サービスの利用に関するルール
6.自社サービスの利用料金の額と支払方法
7.自社サービス内のコンテンツについての権利の帰属
8.自社サービスにおける禁止事項
9.利用規約違反者に対するペナルティ
10.損害賠償に関する事項
11.免責に関する事項
12.サービスの中止、変更、終了に関する事項
13.紛争時の裁判管轄

 

また利用規約には4つのパターンがあります。

 

①YouTubeやInstagramなどのような、ユーザーが何らかの投稿を行うサービスのための、ユーザー投稿型サービスの利用規約。
②音楽や映画などのコンテンツをユーザーに提供する、コンテンツ提供型サービスの利用規約。
③ヤフオクやメルカリなどのユーザー同士の取引を支援する、プラットフォーム型サービスの利用規約。
④クラウドサービスやチャットコミュニケーションなどを提供する、ITサービス提供型の利用規約。

 

以上の4パターンです。
自社の提供しているサービスがどのようなものかに合わせて作成をすることが重要となります。

 

また利用規約の作成にあたっては、利用規約に関連する法律の内容を理解しておくことが重要となります。
具体的には著作権法、資金決済法、特定商取引法、個人情報保護法、消費者契約法の5つです。

 

◆利用規約はリーガルチェックがおすすめ
上記までで利用規約の作成における基本と注意点について解説をしましたが、企業単体や法務部でこれらを網羅的に作成することは非常に難しいことと言えるでしょう。

 

そのため、利用規約の作成代行やリーガルチェックを弁護士に依頼することをおすすめしています。

 

作成代行やリーガルチェックを依頼するメリットは3点あります。

 

①利用規約に関係する法律を踏まえて作成することができるため、トラブルを防ぐことができる
上記の注意点でも述べたように、利用規約には5つの法律が関わってきます。しかし一般の方が5つの法律の内容を網羅的に判断しながら利用規約を作成することは非常に難しくなっています。

 

そのため専門家である弁護士に依頼をすることによって、法律違反がないかをチェックしながら利用規約を作成することができるため、トラブルを回避することができます。

 

②ユーザー利益に配慮し、炎上トラブルを回避できる
利用規約の作成において、自社の権利や利益のみを追求するような内容のものとしてしまうと、ユーザーにかなりの不利益が生じてしまい、炎上トラブルにまで発展してしまうことがあります。

 

そこで弁護士に依頼をすることで、ユーザー側と企業側の利益や権利のバランスに配慮した利用規約を作成することができます。

 

③弁護士の経験則から、どのようなトラブルが発生するかを予測し、事前に対策を講じることができる
弁護士はこれまでの業務経験から、さまざまなトラブルを目にしているため、サービスの内容によって発生しやすいトラブルについて熟知しています。
そのため利用規約の項目の自社サービスのルールや損害賠償、免責等において、トラブルを見越した内容の規約を盛り込むことによって、トラブルを未然に防ぐことができます。

 

利用規約の作成代行であれば、分量にもよりますが、8〜15万円程度で請け負っている事務所が多く、一度作成した利用規約のリーガルチェックであれば、無料としている事務所がほとんどです。

 

後にトラブルに発展し、賠償をしなければならないような場面を回避することができると考えると非常に破格の値段といえるでしょう。

 

利用規約作成のフェーズにある企業の方々は弁護士へのご相談を検討ください。

 

KOWA法律事務所では、中央区、大田区、江東区、品川区を中心に、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県からの相続、不動産、金融、ITシステム、企業法務に関する相談を受け付けております。
利用規約の作成代行やリーガルチェックを検討されている方は、一度ご相談にお越しください。

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弁護士紹介

池田 聡先生

池田 聡Satoshi Ikeda / 東京弁護士会所属

銀行で支店長として勤務していた経験を活かし、問題解決のために
最適な解決策をご提案いたします。

金融、相続、不動産、ITシステム、企業法務に関するご相談なら、お金と事業を知り尽くした当事務所へお任せください。

経歴
日本興業銀行・みずほ銀行に通算約24年勤務。
営業店9年、IT部門8年、業務企画部門7年。 最後の3年間は支店長を務める。
都内中堅法律事務所を経て、2014年 KOWA法律事務所を開設。
著作
  • システム開発 受託契約の教科書

    システム開発 受託契約の教科書
    著者:池田 聡

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  • 元銀行支店長弁護士が教える 融資業務の法律知識

    元銀行支店長弁護士が教える 融資業務の法律知識
    著者:池田 聡

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執筆
週刊東洋経済 2017年9月2日号 民法改正で激変①ITサービス
週刊東洋経済 2020年4月4日号 変わる民法&労働法 3売買・請負 5法定利率
週刊東洋経済 2021年3月6日号 働き方と仕事の法律 売買・請負
月刊銀行実務(銀行研修社) 執筆多数

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