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相続の際に兄弟間で不公平を感じたらどうする?対処法を解説

家族間の相続では、時として兄弟の関係を揺るがす不公平な状況が発生します。

生前贈与の有無、親の介護状況、経済的な立場の違いなど、さまざまな要因が相続トラブルの引き金となるでしょう。

本記事では、相続における不公平感が生じやすい場面と、円滑な解決に向けた対処方法について解説します。

相続において兄弟間で不公平感の生じやすいケース

相続の場面で兄弟間に不公平感が生まれるのは、どのようなケースでしょうか。

以下では、兄弟間で不公平が生じやすい主な場面を解説します。

生前贈与が不公平だった場合

親が存命中に特定の子どもにだけ多額の財産を贈与すると、相続時に深刻な問題が発生する可能性があります。

生前贈与を受けた兄弟とそうでないひととの間に不公平感が生まれ、家族間の争いのきっかけとなることも少なくありません。

公平な相続を実現するためには、生前贈与の金額を考慮して遺産分割時の取り分を調整する必要があります。

一方的な遺産分割を要求された場合

遺産分割の話し合いでは、特定の相続人が自分の取り分を優先する提案をすることがあります。

特に親の介護を担当した相続人が、その労力を理由に遺産の大部分を要求するケースが多いようです。

一方的な要求は、他の相続人との関係性を損ねる原因となり、相続トラブルにつながります。

介護貢献度を理由に多くの取り分を主張される場合

親の介護に時間と労力を費やした相続人が、その貢献を理由に多くの遺産取り分を求めることは自然な心情です。

しかし、介護の事実だけでは必ずしも相続での優遇を受けられるわけではありません。

寄与分として認められるためには、長期間の無償介護や被相続人の財産維持への具体的な貢献が必要です。

この寄与分の認定をめぐって相続人間で意見が分かれ、深刻な争いに発展するケースも少なくありません。

なお、寄与分を家庭裁判所で認めてもらうには「特別の寄与」が必要であるため、ハードルは高めです。

相続で不公平を感じた場合の3つの対処方法

遺産分割で不公平だと感じた際の対処方法を3つ紹介します。

不公平感を覚えた場合は、すぐに応じるのではなく、対処方法を慎重に検討しましょう。

法定相続分に基づく公平な遺産分割の再提案をする

不公平な遺産分割案を受けた場合は、民法で定められた法定相続分を基準に再提案を行うことが有効です。

法的根拠に基づく公平な提案は、他の相続人からの理解を得やすく、円滑な問題解決につながります。

弁護士による遺産分割交渉を行う

遺産分割の話し合いが難しい状況では、弁護士への依頼が有効な解決策です。

法的な専門知識を持つ弁護士が交渉することで、感情的な対立を避けながら公平な解決を目指せます。

また相続人自身も、直接の交渉を避けられるため、精神的な負担を軽減することが可能です。

家庭裁判所による遺産分割調停を活用する

遺産分割の話し合いが進まない場合は、家庭裁判所での調停申立ても選択肢のひとつです。

中立的な調停委員が仲介役となり、相続人間の合意形成を支援します。

調停で合意に至らない場合でも、家庭裁判所による審判で最終的に解決することが可能です。

まとめ

相続における兄弟間の不公平感は、生前贈与の偏り、一方的な遺産分割の要求、介護の寄与分をめぐる対立など、さまざまな要因から生じます。

このような相続の不公平感を解消するためには、公平な分割案を提示することが重要です。

複雑な相続問題の解決には、弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

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弁護士紹介

池田 聡先生

池田 聡Satoshi Ikeda / 東京弁護士会所属

銀行で支店長として勤務していた経験を活かし、問題解決のために
最適な解決策をご提案いたします。

金融、相続、不動産、ITシステム、企業法務に関するご相談なら、お金と事業を知り尽くした当事務所へお任せください。

経歴
日本興業銀行・みずほ銀行に通算約24年勤務。
営業店9年、IT部門8年、業務企画部門7年。 最後の3年間は支店長を務める。
都内中堅法律事務所を経て、2014年 KOWA法律事務所を開設。
著作
  • システム開発 受託契約の教科書

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    著者:池田 聡

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  • 元銀行支店長弁護士が教える 融資業務の法律知識

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執筆
週刊東洋経済 2017年9月2日号 民法改正で激変①ITサービス
週刊東洋経済 2020年4月4日号 変わる民法&労働法 3売買・請負 5法定利率
週刊東洋経済 2021年3月6日号 働き方と仕事の法律 売買・請負
月刊銀行実務(銀行研修社) 執筆多数

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